コドハブログ

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子供の予防歯科についてわかりやすく発信

虫歯予防のシーラントとは?いつからできる?やって後悔!?その真相は

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子供の虫歯予防はフッ素塗布以外にもあるの?

虫歯予防にはフッ素塗布以外にシーラントっていうものがあるよ。歯医者さんでやってもらえる保険適応の処置だよ!

保険で出来るんだね!でも、どういう処置なんだろう?

それじゃあ、今回はシーラントについて詳しく解説していくね! 

この記事はこんな人におすすめ!
  • 虫歯予防のシーラントとは?
  • やったほうがいいの効果は?いつからできるの?施術の手順は?
  • 費用はどのくらい?
  • メリット・デメリットは?
  • 「シーラントをやって後悔した」という声の真相は?

  

 [簡単に自己紹介]このブログを書いている「ふみ」です。歯科衛生士歴は10年程になり、現在も子育てをしながら小児歯科にパート勤務しています。子供の歯について悩むママやパパの為、歯科衛生士として働いてきた経験から得た知識をこのブログを通して発信していきます。

 

シーラントとは、虫歯になりやすい歯の溝にフタをする処置

歯医者さんで子供の虫歯予防のためにやってもらえる施術には「フッ素塗布」ともう一つ「シーラント」というものがあります。

「フッ素塗布」についてはこちらの記事で解説しています。

シーラントについて簡単に解説すると、シーラントは汚れが溜まりやすく虫歯になりやすい歯の深い溝の部分を詰め物でフタをして、汚れが入り込まないようにする処置です。

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主に奥歯の溝にすることが多いですが、前歯の裏側に行う場合もあります。

溝の部分にフタをしたら、噛みにくくなるんじゃないの?

噛むのに支障がない量の詰め物をするから大丈夫!シーラントは歯ブラシの毛が届きにくい深い溝にフタをするから虫歯予防にはとても効果的なんだよ 

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シーラントは虫歯予防にとても効果的

シーラントはやったほうがいいのか?結論から言うとやったほうが良いです。定期的に行うことで効果が出てくるフッ素塗布とは違って、シーラントは施術を行ったその日から虫歯予防の効果があります。

ですがシーラントを行うにはお子さまの協力が必要なので、1度の来院で必ずしもできるとは限りません。お子さまの成長にあわせて様子を見ながら少しずつ行っていくのが一般的です。

シーラントの施術にはいくつかの手順があるよ。最初からできる子もいれば、何回か挑戦してできるようになる子もいて、それぞれの年齢や個人差があるから、始めはできなくても大丈夫!その子の成長に合わせて少しずつステップアップしていこう

 

シーラントがいつからできるのかは乳歯の奥歯が生え揃ったら、しかし最初は難しい

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シーラントは乳歯の奥歯が生えてきたら行えます。ですので、乳歯列が生え揃う2歳半〜3歳頃にはシーラントをすることができます。

しかし、先程も述べたようにシーラントの施術にはいくつかの手順があり、お子さまの協力が必要なのでまだ小さな年齢のうちはなかなか行うのは難しいです。(まれにできる子もいますが)お子さまの歯医者さんでの様子や反応を見ながら少しずつ挑戦していきます。

歯医者さんと相談して子供の様子を見ながら行うのがベストだよ

まだ難しそうな時は無理をしなくても良いんだね

 

また、歯医者さんによっては乳歯にはシーラントを行わない所もあります。最初の大人の歯である六歳臼歯が生えてからシーラントをするという方針の歯医者さんもいるようです。

以前は6歳臼歯が生えたらシーラントを行うというのが一般的だったけれど、最近では乳歯にも積極的にシーラントを行う歯科医院が増えてきたよ

 

シーラントの施術の手順はいくつかある

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シーラントの施術の手順は以下になります。

  1. シーラントを詰める歯の溝をキレイにする
  2. 唾液が入り込まないように防湿する
  3. 歯の溝にシーラントが付きやすいようにする処置を行う
  4. 歯の溝にシーラントを流す
  5. 光を当ててシーラントを固める
  6. かみ合わせが問題ないか確認して終了

シーラントを詰める歯の溝をキレイにする

シーラントを詰める前に溝に残っている汚れを機械のブラシを使って取り除き、しっかり洗浄してキレイな状態にします。

唾液が入り込まないように防湿する

シーラントをつける時に唾液が入り込んでしまうとうまく詰めれないので、お口の中に綿を入れたり場合によっては「ラバーダム」という薄いゴムのシートを使って防湿をします。

歯の溝にシーラントが付きやすいようにする処置を行う

シーラントを詰める前に、シーラントがすぐに取れないようにするための処置を行います。(行わない歯科医院もあります。)歯の溝に酸処理や接着剤をつけたりするのですが、シーラントの材料の種類によって処置は違います。接着剤を歯に塗る時は少し苦い味がすることもあるので、お子さまには塗っている間は舌で舐めないようにしてもらいます。

歯の溝にシーラントを流す

歯の溝にシーラントの材料を流します。固めるまではお口を閉じれないので、お子さまには少しの間お口を開けたままでいてもらいます。

光を当ててシーラントを固める

シーラントは光で固まる性質なので光が出る機械を歯に当ててシーラントを固めます。光照射は歯の部分にしか当たらないので眩しくはありません。

かみ合わせに問題がないか確認して終了

防湿に使っていた綿や器具を外して、最後にかみ合わせに問題がないか確認してシーラントの処置は終了です。

歯を洗浄するのに機械を使ったり、シーラントを詰めるのに少し長い時間お口を開けてもらったりするから子供にとってハードルがあるんだね

そうだね。最初のうちはこんな材料や機械を使うんだよって子供に説明してあげたり、出来るところまでやってみたりして少しずつトレーニングしていく感じになるよ。まずは一人で歯医者さんの椅子に座ることがはじめの一歩だね!

 

シーラントは保険適応

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シーラントは保険適応です。また乳幼児医療費助成制度によって無料(もしくは初診時のみ一部負担)になる場合もあります。対象年齢などはお住まいの都道府県、市町村によって変わるので市のホームページなどで確認してみましょう。

 

シーラントのメリット・デメリット/やって後悔したとの声の真相は?

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シーラントのメリット・デメリットは以下のような事があげられます。

シーラントのメリット

  • シーラントをした部分が虫歯になりにくくなる
  • 歯を削ったりせずに行える処置なので負担が少ない
  • 子供が歯医者に慣れるレーニングになる

シーラントの一番のメリットは処置を行った部分が虫歯になりにくくなることです。また、歯を削ったりする処置ではないので歯への負担もほとんどありません。しかしシーラントを行ったからといって必ずしも虫歯にならないというわけではないので、毎日の歯磨きはいつも通り行いましょう。

シーラントをやった経験があると、もし今後虫歯の治療をすることになっても歯医者さんに少し慣れていて治療がスムーズにできることもあるよ。

シーラントのデメリット

  • シーラントを行ったという安心感で歯磨きが疎かになってしまう
  • シーラントは取れてしまうことがある

これらはシーラントのデメリットというより、シーラントを行った後に注意しなければいけない事になります。シーラントを行うことで虫歯菌がいなくなるわけではありません。あくまでも汚れが入り込んで虫歯になりやすい深い溝を埋めて、虫歯になりにくくするという処置なので、必ずしもシーラントを行った歯が虫歯にならないとは限りません。

またシーラントはずっと歯についているものではなく、食べたり、歯ぎしりをしたりということで取れてしまうことがあります。シーラントが取れていないか定期検診でチェックして、もし取れていた場合はその都度付けなおすというのが一般的です。

「シーラントを付けて後悔した」という声・・その真相は?

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ネットでシーラントと検索すると「後悔」というワードがたまに出てきます。それについて調べてみると「シーラントをした歯が虫歯になった」という声があるようです。先程も述べたように、シーラントをしたことによる安心感で歯磨きが疎かになってしまうことがあります。シーラントをした奥歯でも、歯と歯の間の汚れはフロスや糸ようじを通さないと取れません。

また、シーラントが取れてしまった場合は再び虫歯になりやすい状態になってしまいます。そういったことから、「シーラントをした歯が虫歯になった」という要因になると考えられます。ですのでシーラントをした歯は次のようなことに気をつけましょう。

シーラントをした後に気をつけること

  • 歯と歯の間はフロス(糸ようじ)を通す
  • 定期検診などでシーラントが取れていないか確認してもらう

いくつか気をつける点はあるものの、シーラントをするとしないとでは虫歯になるリスクは全然違うから、できればやっておいた方が良いと思うよ。

シーラントをして、フロスを通して、検診でチェックしてもらえば虫歯ゼロを目指せそうだね!

 

まとめ

シーラントについて

  • シーラントとは、虫歯になりやすい奥歯などの深い溝を詰め物でフタをする処置
  • 深い溝にフタをすることで汚れが入りにくくなり、虫歯予防の効果がある
  • シーラントは保険適応
  • シーラントは、乳歯の奥歯が生えたら行うことができる
  • シーラントにはいくつかの手順があり、施術にお子さまの協力が必要
  • シーラントは、お子さまの成長に合わせて少しずつ行っていく

シーラントを行った後の注意点

  • シーラントを行った歯でも、歯と歯の間にフロスを通すことは必須
  • シーラントは食事や歯ぎしりなどによって取れてしまうことがあるので、定期的に歯医者さんでチェックしてもらい、外れたらその都度付けなおしが必要
 

子供にシーラントを検討している方の参考になれば幸いです